あすかるの岡本です。先日のゴミ屋敷の片付けと消毒作業のお話をさせて頂きます。
一本の電話が入り、依頼者が急いできてほしいとの事で
和泉市に急行すると住所番地を調べなくてもわかるくらい
外からゴミ屋敷の風景が見えていました。
玄関のドアに移るゴミの量は壮絶で依頼者の大家さんも
非常に憔悴しきって一人で片づけ始めていました。しかし、様子が変です。
独特の強烈な腐敗臭と共に大量の蠅の死骸。
中でお亡くなりになった方が居たとすぐに気付きました。
お話を聞くと家賃の滞納も一年近くしており、何度催促しても払ってくれなかったようで、困り果てていたと。
その矢先に部屋のゴミに埋もれて亡くなっていたようです。
そんな事が想像出来ないような、閑静な住宅街の密集したところが現場になりました。
なぜ、ゴミ屋敷にしてしまったのだろうか?と疑問は人それぞれでセルフネグレクトもそれにあたるかもしれません。
ゴミ屋敷にしてしまう人の特徴の一つに、近所づきあいもない。長年顔を全く合わせなかったそうで
疎遠になっている期間が長く、近隣も気にも留めていなかったようです。
しかし強烈な異臭が外に漏れだし大量の蠅がそこら中に飛び回っていると
大家さんに連絡がはいり警察に通報して発見されたとの事でした。
しかしながら近隣の苦情は全て大家さんに降りかかり、ゴミの撤去のみならず腐敗臭の消臭や
害虫駆除を強く言われていて困っておられました。2階建ての4つの部屋、キッチン、風呂全てに
胸以上になるくらいのゴミが詰められていて、中でお亡くなりになられていた方は階段で絶命していたようでした。
2階に上がる事が困難なほどのゴミの中に階段の断面には、大量の腐敗した体液、頭髪そのものが
べったりとへばりついており玄関近くまでひどく汚染した体液が流れ落ちていました。
そのような状態からの作業になりました。
一般的なご遺品整理や生活整理とは違い、まずは徹底的に家屋全体を殺菌消毒します。
なぜならば作業するうえでの感染症のリスクを低減させるためです。
根本的に殺菌する事はごみを全て撤去してからになりますが、作業スタッフにとって直接的に触れる事が
感染のリスクを高めます。作業中は防毒マスクに防護服も必ず着用した状態です。
勿論中のゴミに関しても中で厳重に梱包してひとつずつ搬出。腐敗体液などで汚染したものに関しては、
医療廃棄物として特別処理にします。家屋全体のゴミを処分するのにまる2日間かかりました。
貴重品に金銭関係・貴金属等が多いために、丁寧に全てを確認の上搬出しました。
結果、金銭関係だけでも数百万円の大金が見つかったので、大家さんも相続放棄したご遺族に
念のために連絡すると迷惑料として受け取ってくださいとの事。ほっとしました。
ゴミ屋敷の片付け・消毒の作業代金、未納の家賃全てがちょうど相殺される感じだったようです。
大家さんからも非常に感謝され、そして部屋の中にあった仏壇に関しましては、遺族は放棄されたものを
大家さんの行為でお焚き上げで供養してほしいとの事。なんていい人なんだと感動しました。
お焚き上げも丁寧に毎日供養して貰うように約束をして、私がお寺まで運んで一緒にお経をあげさせていただきました。
お亡くなりになられた方元々はセルフネグレクトではありません。昔は華やかな人生だったようです。
家庭のトラブルから少しずつ体調を崩されてしまったようです。それでこのような哀しい結果になったのかもしれません。
でも私は思います。これで少しは故人様も安心できたのかなとそう思う現場でした。